株式会社LIXIL
LIXIL Advanced Showroom

今日まで、そして未来へ vol.1
成長を感じることが楽しみだから、10年後もきっともっと楽しくはたらいている

LIXIL Advanced Showroom創立10周年を迎えた2023年、共にはたらく仲間の過去を振り返り、そして未来の自分と仲間へ送るメッセージをお届けしていきます。

初回に登場いただくのは、LIXILショールームで若手マネージャーとして活躍する中西さん。学生時代は進路に悩み、コーディネーターにやりがいを見いだして未来を切り開いてきました。最初の成長の鍵となった新人時代の秘話は、今回が初披露。必読のエピソードです。

<10年前は何をしていましたか?>
自分の将来が描けず、迷い、もがいていた学生でした。

10年前、私は19歳。迷いの真っ只中で青春時代を過ごしていました。

当時は大学生になったばかり。第一志望の大学に入れず、絵の素養があることから母に薦められた地元の大学で、インテリアを専門に学んでいました。授業はすごく楽しかったんですが、その一方で志望校に入れなかったショックをなかなか打ち消せないでいました。

とはいえ、具体的な将来の目標があって第一志望の大学や学部を目指していたのかというと、そうでもありません。強いていえば、親元や慣れ親しんだ地元を離れ、自立してみたいという気持ちが先にありました。入れなかった大学は、新しい世界での成長を叶えるための、象徴的な存在でした。だからもやもやと心が晴れず、「来年もう一度受験し直そうかな」、そんな考えも浮かびました。思い切って親とも話し合いましたが、再受験はさまざまなハードルがあって難しく、結局進んだ大学で4年間学ぶことになりました。

そんな風にすっきりしない想いも抱えていましたが、実際の学生生活がどうだったかというと、インテリアの専門課程だけあって学ぶことは多く、模型やプレゼン資料作りに励む毎日でした。忙しくて大変でしたが、インテリアをきっかけにLIXILショールームやコーディネーターの仕事を知り、今も仕事で活かせる勉強ができて、結果としてこの大学のこの専攻で良かったと思っています。

<この10年で一番大変だったことは何ですか?>
独り立ちした新人時代、接客で力不足を感じた瞬間です。

入社して8年が経ちますが、一番大変だったことというと、思い出すのはコーディネーター1年目のことです。新人時代は誰もがさまざまな失敗や成功を経験するものですが、私にも忘れられないお客さまとの出会いがありました。

入社して、各種研修を受け、コーディネーターとして独り立ちした頃なので、1年目の冬のことです。浴室を見に来られた30代くらいの若いご夫婦を担当することになりました。しかし、そのお客さまからは、想定外の質問の数々が飛んできました。「掃除方法はどうなっているか」「入浴剤はどんなものが使えるのか」など、カタログには載っていない質問に、私はしどろもどろ。経験あるコーディネーターならば知識もあり、柔軟に対応できたと思います。しかし当時の私は商品の性能ならまだしも、実際に使ううえでの注意点というような、具体的な扱いについてお答えをするところには至っていませんでした。

うまく答えたいけれどできない、そんな居心地の悪い時間が続き、表情や態度などからもお客さまがご満足されていないのは明らかでした。一通りの案内を終えてお見送りしたあと、駆け込んだのはトイレ。「できなかった」という悔しさで、あふれてきた涙を止めることができませんでした。当時の私は完璧主義で人に弱みを見せられないところがありました。力不足でお客さまにご迷惑をかけてしまったという事実を受け入れられず、涙が止まりませんでした。

<何がきっかけで乗り越えられたんですか?>
まさかの再来館!今度は準備を整え、信頼していただくことができました。

強がりの私は、この件を誰にも報告できませんでした。この接客のあとも、毎日は忙しく過ぎていき、何事もなかったように仕事をこなしていました。でも忘れることはできず、接客にちょっとしたトラウマを感じるようになっていました。

しかし、克服のチャンスがやってきます。人知れず泣いた時から2ヶ月ほど経った頃です。そのお客さまが再来館されました。「予約が入ったよ」と言われたときは、「まさか再びいらしてくださるとは」という驚きとともに、心臓がキュッと締まるような感覚を覚えました。一瞬逃げたくなりましたが、悔しさを晴らしたいし、同じ思いをしたくないというのもまた、偽りのない気持ちでした。だとしたらやることは準備です。ご予約の日に備えて前回には答えられなかったことはもちろん、その他に聞かれそうなことも想定して調べ、自分に大丈夫だと言い聞かせて接客に臨みました。

結論からいうと2度目の接客では、お客さまに喜んでいただけました!最初はお互い気まずい雰囲気だったのですが、私が以前答えられなかったことによどみなく答えていくと、お客さまも驚かれたようでした。見る目が変わったことが私自身にもわかり、次第に頼ってくれるような会話になっていったんです。しかも説明に感心してくださるシーンまでありました。「今回は信頼していただけた」そんな喜びとともに、壁を乗り越えられたという充実感でいっぱいになりました。

困ったことや課題を感じたとき、フォローしてもらうのは大事なことです。ショールームには頼もしい先輩もたくさんいて、その環境もあります。でもこのときの私には、壁を「自分で乗り越える」ということに意味がありました。簡単に頼らず、自分で考えて動いた結果、一歩前に進むことができました。そして、困難に出くわしたときの対処方法や、そんなときにやるべきことをやる癖をつけることができたんです。このあともさまざまな壁が私の前に立ちはだかりましたが、へこたれずに前進していくことができたのは、このお客さまとの出会いがあったからにほかなりません。

<過去の自分に伝えたいことは何ですか?>
やればできる、だから自信がないなんて思わないで。

入社から8年、私はサブチーフ、チーフを経て、現在はXLサイズの大きなショールームで、マネージャーの1人としてはたらいています。少し前までは自分がチーフになれるとも思っていなかったし、その上のマネージャーは自分が踏み入る領域とも思えませんでした。人前に出ることは得意ではないし、リーダー気質でもありません。だから今の立場には自分でもまさか、と思うほどです。でもすばらしい先輩チーフに恵まれ、そのリーダーシップや部下の育成方法を間近で見て学ぶことができました。そしてサブチーフを任されたときに意識が変化し、責任感も強くなりました。だから「やってみればなんでもできる」、そう昔の自分に言いたいですね。また、もやもやしていた大学時代の私には、勉強したことは無駄にならないよと伝えたいです(笑)。

えらそうなことを言っていますが、入社からここまで、先輩にはたくさん迷惑をかけたし、失敗もしてきました。でもお客さまの住まいの悩みを一緒に解決することが楽しく、懸命に取り組むことで自分自身も成長し、ステップアップしてきました。だから「できる」と信じて進んでいくことが大切ですね。

CSアワード受賞時の中西さん

アワードを受賞時に議事録に書いたキッチンデザイン

<未来の自分はどうなっているでしょうか?>
まだまだ成長し続けている自分が想像できます。

私にとって、成長し続けることが人生の生きがいであり楽しさです。この会社に入り、想像していた以上にさまざまなことを経験し、役職に就いてキャリアアップしてきました。成長することが楽しいので、昇格するにつれて仕事に対するモチベーションは右肩上がりです。そして、マネージャーとなったことで、今は間接的に結果を出すことに挑戦しています。マネージャーとしてはまだ未熟者ですが、メンバーが成長し、より多くのお客さまにご満足いただくことができる姿を見ることが今の私の喜びです。そして、ひとりひとりが成長した結果として、ショールーム全体が成長した、と思えるように頑張っていきます。

じゃあ未来の私はどうなっているでしょう?

ある人に「変わらないことは後退していることだ」と言われたことがあります。創立から10年、会社は変化し続けていますが、そこではたらく人もまた、変わっていかないと成長はないと思っています。人生は山あり谷あり。さまざまなことを乗り越え、それまでの自分を更新していくごとに、強くなっていきます。自分自身はそうやってここまで歩んできました。そして未来を想像してみると、まだまだ成長して強くなりたいから、10年先も山や谷を越えながら、バリバリと頑張っているんじゃないかな。

仕事に限らず、どんな場面でも成長を見出していくからこそ、人生は楽しい。そんな経験をこの先も重ねていくのだと思います。

<プロフィール>
2016年入社。2020年にチーフ、2022年にはマネージャーに昇格。LIXIL Advanced Showroomへの入社は、女性がはたらきやすく、インテリア知識を活かせる仕事として知ったことから。仕事とプライベートにメリハリをつけ、休日は趣味のゴルフを楽しんでいる。