「育休を取って本当によかった」男性コーディネーターが子育てで得た喜びが、仕事や生きていく上での原動力に
LIXIL Advanced Showroomではコーディネーターの育休取得を奨励し、ワークライフバランスの充実をはかっています。男性コーディネーターで今回、育休を取って新生児の育児に参加した八木さんは、出産と異動時期が重なるという状況を、周囲のサポートもあって乗り越え、家族に寄り添うことができました。
寝かしつけや泣き止ませはお手の物!? 娘と過ごす至福の時間
「今日は起きているかな」
「それとももう寝ちゃったかな」
毎日、そんなことを考えながら家路を急ぎます。
ショールームから自宅までの道のりは約1時間。家に着くのは午後7〜8時ですが、娘が起きているかはその日次第。運良く目覚めていると「やった!」という気分です。
「ういちゃんただいま〜!」
そう呼びかけながら、ウキウキと妻と抱っこをバトンタッチ。あどけない子どもの顔を見るだけで、1日の仕事の疲れがあっという間に消えていきます。
我が家には、2022年の終わりに女の子が生まれました。
最近ようやく「うう」とか「ああ」と声を発するようになり、そんな反応がうれしくてたまらない時期です。仕事では子連れで訪れるお客さまもたくさんおられます。お子さんはみんなかわいく、相手をするのも大好きです。しかし自分の子どもが生まれてみると、他の子には申し訳ないですが、「うちの子が一番かわいい」としか言えなくなってしまいました(笑)。
娘が生まれてから、家にいるときはずっとそばにいます。その状態はまるで子どもが2人いるみたい、と妻に言われます。あやすというより、自分も子どもに戻ってずっと遊んでいます。そのせいか、泣き止ませたり、寝かしつけたりするのは自分が一番上手い、なんて思うほどです。そして娘もリラックスして甘えてきます。私のお腹の上が心地いいみたいで、上に乗ったまま寝入ることもしばしば。そんなときは、自分も寝転んだまま娘の寝顔を見てダラダラ過ごすのが、幸せなひととき。「尊い」ってきっとこういうことに違いありません。
毎日のすべてが新鮮さに満ちあふれていて楽しい、今はそんな時期を過ごしています。
異動の時期に重なった娘の出産を、仲間のサポートで乗り切る
私は子どもが生まれたあと、20日間の育児休暇を取得しました。
育休については、最初は漠然としたイメージしかなく、子どもを授かって初めて具体的に調べはじめました。私たちは共働き夫婦ですが、当時私はオンラインショールーム勤務。前職で飲食店勤務の経験があり、通勤する妻に代わって家事もある程度こなしている状況だったので、育休も最初は「在宅勤務だし、少し休めば足りるんじゃないかな?」と気楽に考えていました。
しかし出産予定日があと数ヶ月に迫った頃、オンラインからショールームにチーフとして異動となり、生活が一変。さすがに「ちゃんと育休を取った方がいいな、そのためにはどうしたらいいだろう」と真剣に考え始めました。
予定日を考えると、休みが必要なのは異動後1ヶ月というところ。
「期間は?」「引き継ぎはどうする?」「復職のためにどんな準備がいる?」と、考えることがたくさんありました。異動したばかりでチーフが休むのも気が引けました。オンライン部署のマネージャー、異動先のマネージャー、エリアリーダー、サブリーダーなど、さまざまな方と相談させてもらいましたが、「取ったほうがいいよ」「八木さんが取ることで他の人も続いて取りやすくなるから」と背中を押してもらってありがたかったです。その結果、母子が退院したタイミングで、20日間のお休みをいただくことになりました。
このような流れで育休に至りましたが、その前の出産時にもエピソードがあります。
実は私は血を見るのが大の苦手です。血を見ると力が入らなくなってしまうので、最初は「出産には立ちあわれへんわ〜」と、妻とも話していました。しかし妻が産気づいたときは、苦手とかそんなことを言っている場合ではなく、もう夢中。立ち会って、子どもが生まれた瞬間にはいろんな感情が爆発し、なんとも言い表せない状態になってしまいました。今では立ち会えたことを本当に良かったと思います。
そして立ち会ったからこそ、育休で子どもの世話をするときにも、何倍も気持ちが入りました。自分が授乳するわけでもないのに、妻と一緒に数時間ごとに起きたり、あまりに小さすぎて沐浴で戸惑ったり、何もかも初めてでドキドキすることばかり。でも今、そのときにしか体験できないこと、見られないものを見られた育休は、何にも代えがたい貴重な時間だったと思います。
子どもをネタに接客でも会話が広がり、はたらき方もワークライフバランス重視に
仕事の話に戻りましょう。
育休が異動のタイミングと重なりましたが、復帰をスムーズにすることを大事にしました。チーフとして異動後の引き継ぎをしつつ、引き継いだものを復帰後にちゃんと活かせるようにと、資料作りや作業の仕方などをまとめました。これはマネージャーなど、周囲の方々にも一番多くのアドバイスをいただいた部分でした。異動先はコーディネーターが2人という小さなショールームだったので、仲間のコーディネーターにもしっかり話をさせてもらいました。そして育休中は私の代わりに、前任のチーフを中心にヘルプに来ていただき、感謝でいっぱいです。周囲のサポートがあったからこそ、育休を不安なく取ることができ、仕事にもスムーズに戻ってくることができました。
復帰後、自分の中で大きく変わったのはワークライフバランスに関する考え方です。以前は自分が納得するまでやりきろう、と残業が増えがちでした。しかし今は家族の時間も大事にしたい。なので、必要なことと、先延ばしすることをしっかり区別するようになりました。子どもは自分のはたらき方を変える、いいきっかけになったと思います。
また、お客さまとの会話やご案内についても、幅ができました。毎日娘と入浴していますが、「浴槽に段差がある方が入りやすいなあ」「こういうところは危ないなあ」と、1人だと気にしていなかった部分が見え、お客さまに伝えることが増えました。子どもの話題になると、会話が一層盛り上がるのも嬉しいですね。
日常生活についても変わりましたね。車の運転が好きで、休みの日にはリラックスのために1人でふらっとドライブに行くことも結構ありました。でも今は子どもとの時間が一番。極力おうち時間を過ごし、また節句や誕生日など、記念日は近くに住む妻の両親も交え、お祝いをしています。私の両親は遠方住まいですが、おもちゃなどが山のように送られてきていて、これもありがたいですね。そして娘が大きくなれば、公園デビューやドライブなど、この先もたくさんやりたいことがあります。それも楽しみです。
男性の育休取得が広がるきっかけとなる、発信者になりたい
結婚をした頃は、子どもを持つのか、それはいつなのか、そうするとどんなことが起こるのか、何もかもが漠然としていました。そして実際に妻が妊娠するまで、育休は自分には関係のない話だと思っていたのが正直なところです。
子どもを授かったとわかったときは、親になること、子育てへの不安も出てきました。自分が親になるなんてまだ実感がわかなかったのです。しかし、予定日が決まり現実が近づくにつれ、自分がなんとかしなければ、という気持ちになっていきました。また、お互いの両親はもちろん、会社からも本当にたくさんのサポートをしていただけたことで、いくつもの子育ての最初のイベントを越えてこられています。
子育てに男性が参加することは実際に体感したからこそ、非常に意義があることだと感じました。そのための社会の下地は整ってきているので、あとはきっかけだと思います。
社内に対しては、私が発信することがそのきっかけになっていくはず。私の体験から、男性社員たちが育休を取るのが当たり前になっていって欲しいと思います。
私自身は、子どもができ、生活が充実している今、この先は仕事でも結果を出していきたいと思っています。その仕事の原動力となるのはお客さまです。お客さまから「ありがとう」をいただき、笑顔を生み出すには安心して働ける職場環境が重要であり、職場環境は仲間同士の支えあいで作られるものだと思います。
私は、多くの仲間に支えられて育休を取得しました。
かけがえのないこの時期にしか体験できないことを体験し、さまざまなことを感じることができました。
だから、次は私が仲間を支えるんだ、と強く思っています。
<プロフィール>
飲食業界を経て、お客さまと深く関わる仕事を求め2015年入社。2021年にチーフに昇格。お客さまのみならず、業者様など、ショールームに関わるどのような人とでも気さくに話せるのが強み。料理は得意で、育休中は料理や掃除・洗濯など家事を中心に担当した。