株式会社LIXIL
LIXIL Advanced Showroom

社員1,500人中女性社員が90%。LIXIL Advanced Showroomにおける“ダイバーシティ”とは

社員の90%が女性であるLIXIL Advanced
Showroom(以下、LAS)。時代の流れとともに女性の社会進出が重視されるようになってきていますが、“女性”と一口に言っても働き方は人それぞれです。とにかくキャリアアップしたい方、子育てや暮らしとキャリアのバランスを最優先にしたい方、子育てもキャリアアップもどちらも頑張りたい方、介護をしながら働きたい方……。こうした多様な働き方を実現することは、女性だけでなくさまざまな人の働きやすさの向上にもつながり、LASはその実現を目指し、変化をし続けています。社員として妊娠出産や育児、異動、キャリアアップを経験しながら、LASの働きやすさの変化も感じている高橋さんと田中さんに、LASにおける多様な働き方について伺います。

「好きだな」がLASを選ぶ決め手

はじめに、お2人の経歴と現在の仕事を教えてください。

高橋
東北エリアの2つのショールームのマネージャーを務めている高橋です。LIXILに合併する前のINAXに2005年に新卒で入社し、新宿のショールームで1年、立川のショールームで9年ほどコーディネーターやチーフを務めたのち、結婚を機に地元である東北のショールームへ異動しました。

その後、1人目の子どもを出産してマネージャーとして復帰、数年後に2人目を出産した現在もマネージャーとしてはたらき続けています(※)。2024年10月からは、200Km離れたショールームをビデオ会議プラットフォームやチャットを活用して遠隔でマネジメントをする新たな取り組みを行っています。

マネージャーの仕事としては、数字まわりやメンバーの人財育成などを管理したり、ショールームで受付に立って、お客さまにお話を伺ってコーディネーターに引き継ぎをしたりしています。

田中
オンラインサービス部でチーフを務めている田中です。2015年4月に中途入社して中部地方のショールームに1年半ほど勤務、その後1人目を出産し、復帰後に別のショールームに異動して2人目を出産しました。産後はオンラインサービス部に配属となり、現在は在宅勤務をしています。

オンラインサービス部には自ら手を挙げて異動させていただきました。というのも、2人目の産後に復帰した時はコロナ禍で。オンラインサービス部が発足して半年ほどの頃だったので、なんとかオンラインでお客さまを案内できないかとトライアルをしていました。マネージャーから「自宅でできるようになれば、家で子どもの面倒を見ながら接客ができるようになるかもしれない」と聞き、それならぜひやってみたいと手を挙げました。

仕事としては、リアルのショールームと同じように画面上で繋がった目の前のお客さまをご案内しています。場所に制限がないので、日本全国から海外まで、幅広いお客さまにLIXILの商品をご案内・ご提案しています。

(※)はたらく LIXIL Advanced Showroomは、「はたらく」と、平仮名で表現しています。
諸説ありますが「はたらく」には「傍(はた)を楽(らく)にする」という語源があり、直訳すると「そばにいる人を快く安らかにする」という意味を持ちます。
はたらくことを通じて、お客さまや社会全体を快く豊かにしていく。
それを実感でき、やりがいに繋げられる企業でありたいと、私たちは願っています。

田中さんは中途採用とのことですが、LASに転職した決め手は何ですか?

田中
前職はフィットネス業界ではたらいており、ジムの運営とインストラクターをしていました。ホテルの中に備え付けられていたジムだったので、ホスピタリティに非常に重きを置いていたんです。私自身それが好きではたらいていましたし、転職後もそういうホスピタリティの高い会社で接客業をしたいと思っていました。そして探してたどり着いたのがLASです。

転職をする前、いろいろな住宅メーカーを見に行ったのですが、LASは先輩方の接客が群を抜いているように感じました。予約なしでショールームへ行った時の対応や目線の合わせ方、挨拶の仕方、指の差し方など細かいところまで品があり、質の高い接客をされていたんです。直感的に「好きだな」と思えて入社を決めました。


結婚や出産で地方に移る女性もいる中で、都市と地方で築けるキャリアの差に不安を抱えている方もいるのではないかと思います。お2人は都市と地方の仕事に違いがあると感じていますか?

高橋
感じることはほとんどないです。というのも、LIXILのショールームは全国にあるので、東京だから、地方だから、といってご案内の仕方に違いはないんです。どこでも同じ仕事ができることはLASとしての強みなのかもしれません。
田中
私もそうです。特に、オンラインサービス部の仕事は地域も場所も関係ないので、その分学ばなければならないことが多く、知識にも視野にも広がりを感じています。

例えば、水まわりの商品一つとっても、寒冷地となると全然違うんです。私が住んでいる地域は寒冷地のエリアは一握りしかないので、北海道のお客さまを案内する際に寒冷地仕様を知りました。また、「北海道なのに中部地方のコーディネーターに案内されるの?」とお客さまに不安に思われては困るので、その地域のことをとにかく学ぶ必要もあります。覚えることも広がりましたし、お客さまと接する中で日本の中でもいろいろな違いがあることを学んでいます。

自分たちで切り拓ける会社。はたらきやすさはみんなで作る

妊娠・出産・育児を経験されてきている中で活用した社内制度を教えてください。

田中
よく使っているのが「時間単位有給制度」です。1日最大3時間まで時間給を取得することができます。例えば、朝に2時間有給休暇を取ってから出勤して、夕方に1時間早く帰ることが可能です。

私が実際にあったのが、保育園から子どもの体調が悪いと12時に呼び出しがあったのですが、迎えに行っても病院が昼休憩の時間だったんですよね。だから、お昼休みに一旦子どもを迎えに行って家で仕事をして、病院が開く15時にあがらせてもらいました。こうすることで、2時間の休みで済むんですよ。日々の生活を回しながら休みにせずにはたらけるのがとてもありがたいです。

高橋
半休を取らなくていいのはすごく助かりますよね。私も長女のPTA総会に出るために16時にあがらせてもらったり、2時間抜けて発表会に行ってまた戻ってきて仕事をしたりして活用しています。

田中
もう一つ、「ワークサポート休暇」も使っています。有給休暇とは別にもらえる特別休暇で、生理痛や妊娠中の体調不良、不妊治療などの際に使うことができます。私自身、生理痛でしんどい時にこの制度でお休みをいただいていますし、無理をしないことが社内でも浸透していくようチーム内での活用も進めています。
高橋
私は「早出勤制度」を活用しています。2023年8月にできた制度で、出勤時間を早めることで時短勤務にすることなくフルタイムではたらくことができます。特に、退勤時間の関係で時短ではたらかなければならなかったメンバーたちは非常に助かっています。私が所属しているショールームのメンバーは私を含めて半分が子育てをしているので、この制度を使っている人が多いです。

私が2人目の出産後はまだこの制度はなかったのですが、8時半に出勤して子どものお迎えのために17時にあがっていたんです。そんな時、会社の制度等について社長たちと話をする「バースデープロジェクト」があり、話したところ「育児で一番お金かかる時に、なんで時短勤務をして給料を減らさなきゃいけないんだ」と社長もすごく考えてくださって。それですぐにこの制度を取り入れてくださいました。

田中
オンラインサービス部のメンバーのママたちもほとんど8時半出勤です。お迎えに夕食の支度に、夕方の方が忙しいのでとても助かっています。フルタイムの方と同じようにはたらくことができるようになり、「子育てをしているから仕方ない」と思わなくていいようになってきたのも大きな変化です。

妊娠・出産を経験して分かったこと、育児をしてみて初めて感じることなど、実際にやってみないと分からないこともあるかと思います。ライフステージの変化とともに働くことについて、不安はありませんでしたか?

高橋
私が1人目を出産した時は産休と育休くらいしか制度がなかったのですが、LASは社員たちが上げた声を吸い上げて反映してくれる会社だと思っていて。「こうなったらいいな」「こういうツールが欲しい」と私たちが声を上げたら、1年くらいのスパンで次々と導入されていくんですよ。だから、不安があったとしても声を上げればどんどん改善されていくので、自分たちで切り拓けると感じています。

そうして変化をしていく会社だからこそ、今こうしてマネージャーの仕事ができているとも思います。1人目の妊娠・出産の時に「産後にマネージャーとして復帰しないか」という話をいただいていたのですが、正直その時は不安で仕方がなくて。当時、マネージャーは四六時中電話がかかってきて休みも取れないイメージがありましたし、今ほどオンラインで人と繋がれるツールもなかったので、1人で考えていろいろ組み立てなければいけないと思っていたんです。だから、子育てしながらマネージャーは相当大変なんじゃないかとすごく不安でした。

でも、やってみたら意外とできたんですよ。というのも、会社としても休みを大切にする風潮に変わってきて、緊急でなければ休みの時には電話を掛けないようになっていきましたし、人と繋がるツールの活用も進んでいって、いろいろな人に聞けるようにもなりました。

加えて、オンラインでの接客ができるようになったことにもすごく助けられています。リアルのショールームは正月と夏に休暇をいただいているのですが、オンラインは年中無休で接客しているんですよ。そのおかげで、休みの日に予約を取りたい方がいればオンラインにご案内ができるようになりました。こうして変化する会社だと感じているからこそ、不安があっても改善できるだろうと、安心してはたらくことができていると思います。

「声を上げればどんどん改善されていく」とのことですが、どのようにして声を上げているのでしょうか?

高橋
自分の状態を報告するコンディションサーベイが毎月あるんです。現在の仕事の状況などを選択式で回答していくのですが、コメントも書けるようになっていて。感じていることや、こういうものがあったらいいのに、という意見を積極的に書いています。そのコメントは社長も含め本部が全件確認していて、社長が直接回答してくれることもあります。
田中
上げた声やそれによって検討する内容、新しい制度については、毎月行うビジネスアップデートミーティングで社長が発信してくださるんです。全員で見るので、制度やはたらく環境に対する感度も高まっているように感じています。また、生理痛体験など女性目線の特集を組んで発信もしてくださるので、女性としての声も上げやすくなっていると思います。

会社を良くするために声を上げる文化はなぜできたと思いますか?

田中
会社としての考え方が大きいと思います。鈴木社長がダイバーシティの考え方を発信してくださっているので、それを聞いて「こういうのもありじゃないかな」と思えるようになってきたのではないでしょうか。

コンディションサーベイによって働きやすさが上がった経験はありますか?

田中
要望を上げて実現したのが「ワークサポート手当」です。繁忙期である土日の出勤率が決まっているのですが、それが100%のメンバーにはプラスで手当がつくようになりました。

子どもがいると土日は学芸会などのイベントが入ることも多く、どうしても休まければならない時があります。休む日はほかのメンバーが代わりに出てくれるのですが、そういうメンバーに手当が出るようになったんです。この制度ができるまで、お休みを取る際は少し心苦しかったのですが、今はだいぶ心が楽になりました。

高橋
私が所属しているショールームのメンバーからも「これのおかげで後ろめたい気持ちが少し減った」と声が出ています。土日に休みが欲しい人もいれば、平日に休みたいから土日ははたらきたいというメンバーもいるので、みんなが気持ちよくはたらけるようになっていて、すごくいいなと思います。

子どもの成長とともにはたらいていける。はたらきやすさをアップデートするLAS

「産休や育休を取得した後にキャリアアップはできるのかな」と不安に思う方もいるのではないかと思います。お2人はチーフやマネージャーとして活躍されていますが、キャリアアップという観点での働きやすさについて、どのように感じていますか?

高橋
キャリアアップのために「チャレンジエントリー制度」があるんです。バックグラウンドに関係なく、マネージャー職や専門職の募集があった際に希望を出せば、キャリアアップに向けてトレーニングすることができます。意欲がある人は誰でもチャレンジできる環境だと思います。

また、子育てしながら活躍するモデルケースとなる人も増えてきているんですよ。以前はほかの社員のキャリアやはたらき方について詳しく聞く機会がなく、「ショールームにいたら、ショールームにしかいられない」「ほかに行けない中で、チーフやマネージャーは大変すぎる」と社員たちが思っている時期もありました。

でも、今は『LaLaLa』という社内報でたくさんの社員のはたらき方や会社の活動を発信してくれていて「こういうはたらき方をしているんだ」「こんなやり方があるんだ」と知ることができるんですよね。それを見て、自分もやってみたいと思う人たちが増えてきているんじゃないかと思います。

実際、私が産後に復帰した時は、子育てをしながらマネージャーをしているのは私だけだったのですが、今は増えてきているんですよ。私自身も、誰かに対してこういうはたらき方ができるということを見せられたらいいなと思っています。

お話を聞いて、お2人は誇りを持ってLASで働かれているように感じました。どんな部分に誇りを持っていますか?

田中
私にとってLIXILは業界内でも群を抜いたブランド力があると感じているので、この会社ではたらかせてもらっていることは自分にとってすごく大きくて、「このブランド力に見合った自分でいたい」という気持ちが誇りに繋がっていると思います。
高橋
住宅を買うって、一生の中で何度も経験しないじゃないですか。そういう大事なタイミングで、お客さまの人生に寄り添ってお手伝いできることは、ほかの仕事ではなかなか味わえないことだと思っています。ご案内したお客さまの家が建って、それが20年30年と続いて行くんだと思うと、お客さまや地域の力になれているなと誇りに感じられます。

LASでの働きやすさを一言で言うと?

田中
「自分の望みが叶う会社」であるところです。私自身、子どもがいるからといって何かを諦めることなく今仕事ができているので。また、育児から手が離れる頃には社内にもっといろいろな制度ややり方ができているでしょうし、それによって今とは違うことができるようになっているかもしれないので、このまま子どもの成長とともにはたらいていけると思えます。
高橋
「自分で切り拓いていける会社」であるところです。こうしてみたいという声に対して、それが実現できるように考えてくれる会社だと思っています。はたらきやすい会社をみんなで一緒に考えて築き上げていけることが、はたらきやすさなのではないかと思います。