株式会社LIXIL
LIXIL Advanced Showroom

マネジメントの想いvol.7-メンバーが生き生きとはたらき続けてくれることこそ、マネジメントの生きがいでありやりがい

マネジメント層に仕事への想いを聞くシリーズ、第7弾はショールームのマネージャーを務める傍ら、2021年4月から在籍ショールームのある、北陸エリアのサブエリアリーダーも兼任している松本さんにご登場いただきました。コーディネーター出身で、将来のキャリアビジョンに迷いつつ、挑戦したマネジメント業務で新境地に到達し、次の世代の育成にも力を注いでいます。

不安の中でスタートしたマネジメント業務は、受け入れてくれたメンバーに感謝

私はもともと、将来に明確な目標があったわけではありません。でもこの先どうしよう?と思っている人たちに、少しでも私の話が参考になれば幸いです。

私は10年ほどコーディネーターを努め、チーフも経験しました。しかしそれから先のキャリアに悩んでいたところにショールームマネージャーのお話をいただきました。自信はありませんでしたが、成長できるきっかけになれば、と思い決断。そしてマネージャーとして3年努めたあと、エリアのサブリーダーにも就任しました。いずれも自分では想像していなかった世界です。

最初にマネージャーとして赴任したショールームでは、目指すところも明確に描けておらず、大海原に一人で放り出された気分でした。でも不安ながらも「みんなのことを知りたい」と挨拶して見渡したメンバーの顔が、すごくいい笑顔だったのは今も忘れられません。その顔に、「みんなと一緒に成長していこう」と感じ、どうすれば一緒に成長できるか、ものすごく考えましたね。最初はうまくいかないことも、試行錯誤もありましたが、自分なりのやり方を試しています。ショールームを見つつも、サブエリアリーダーとして周辺ショールームのマネージャーたちを導く2つの役割がありますが、みんなに助けられ、教えられつつ、私なりの目標も生まれています。

メンバーの声を聴くことを大事にし、自身のリーダーシップもさらに高めたい

私のマネージャーとしてのモットーは「メンバーの声を聴く」ことです。1on1の面談でも、日々の会話でも、聴くことはすごく大事にしています。マネージャー就任当時の面談でも「私のことは何でも話すから、あなたのことも何でも話してください」と伝えました。とはいえ、最初から誰でも何でも話してくれるわけではありません。表には出てこない心の声をいかに引き出し、またふるまいを見て感じ取るには、コミュニケーションの積み重ねが必要です。最近になってようやく、メンバーが今日の仕事に達成感を感じているかどうか、そんなことが帰り際の表情や様子からも感じ取れるようになりました。漫画じゃないですけど、メンバーの頭からセリフの吹き出しが出ているのが見える感じです(笑)。

ショールームのマネージャーは、ショールームのメンバーをマネジメントすることが役割なので、そんな風に個人を見極め、相対することが大事です。一方、エリアを導くとなるとまた違ってきます。会社からの方針を噛み砕いて伝え、エリアとして結果を出さなければいけません。どれだけいいアイディアや取り組みがあったとしても、それを元に導いて結果を出さなければ役目を果たしているとはいえません。そのため、アイディアや取り組みを持って結果を出すために、SMILE Valuesの中でも、“リーダーシップ”にこだわりを持っていますし、またメンバーにも常に言い続けています。

メンバーに教わり、吸収しながら今の時代に合った導き方を実践

人を導く立場になりましたが、むしろ人に教えられることも多いです。例えば、話す言葉だけでは伝わらないというのは、メンバーに教えられて気づきました。朝礼や終礼で会社の方針やさまざまなことを話すようにはしていますが、「私の話、伝わっているのかな?」そんな疑問を抱く瞬間も多々ありました。聞いてみたところ、浸透度は人さまざま。なぜかというと、今の若い人たちはSNSやチャット、動画世代なので、耳から入ってくるだけでは情報が定着しないのだとか。これはすごくショックでしたが、新しい気づきでもありました。そこから直接言葉で伝える日もあれば、あえてオンラインミーティングを開催し、簡単な資料を画面に出して伝える方法も織り交ぜるなど、やり方にメリハリをつけるようにしたんです。そうするとメンバーも飽きないし、伝えたかった会社の取り組みや戦略も、以前より浸透していくようになりました。

こんな風に時代の変化とともに、過去のやり方が通用しなくなっていく部分はあると思います。私のこれまでの経験を伝えることは大事なのですが、今はむしろ時代の変化そのものを自分の中に落とし込み、メンバーと一緒に取り組みを進め、考えるという方法を大事にしています。メンバーから学ぶことって本当にたくさんあります。特にマネージャーを務めているショールームでは、20代のコーディネーターばかりなので、これから先は時代に合わせた新しいやり方をどんどん取り込み、やっていくことが大事なのかなと考えています。

北陸独自のチーム制を採用し、次世代の育成にも力を入れる

時代に合わせるというと、目標達成にチーム制を取っていることも挙げられます。北陸エリアは福井・金沢・富山の3つのショールームで構成された、日本一小さなエリアです。掲げているのは「最高のチームを作る」ということ。このエリアだけの取り組みなのですが、「個人」ではなく「チーム」で目標を立て、チームごとにこれを達成し、チームで考えて行動していこうという方針をとっています。

自分で「これが得意」という部分は一生懸命頑張ってもらい、不得意な部分はそれが得意な人が頑張り、補い合う事で結果を出すのがチーム制です。人は得意なことを頑張って結果を出すことで、自己肯定感が高まりますし、若い人はその傾向が強いと思います。また、この方法は進捗具合を見ると個々の強みや弱みがわかりやすく、弱みについては、得意な人のやり方や工夫を共有することもできています。チーム制は現在のエリアリーダーと前任のエリアリーダーからヒントを得たものですが、北陸に合った方法だと感じています。チーフとも一緒になってチームビルディングを強化していますが、この先更なる結果に結び付けていきたいと思っています。

またサブエリアリーダーとして、次世代の育成のために、各ショールームのマネージャーとは週に一回のオンラインミーティングを行ない、学びの場を設けています。テーマを設けて自分の学んだことを発表してもらい、ディスカッションするのですが、学んだことはアウトプットすることで真にインプットに至るものです。だから人に向けて発信することで、成長につなげてもらいたいですね。富山は金沢で頑張っていたチーフが新任として着任していますし、福井は安定感ばっちりのマネージャー。まだまだ上を見据えて頑張ってもらいたいです。

花が自然に咲くように、メンバー個々の個性やタイミングを見極めるのが大切

これから大事にしていきたいのは、育成です。私は歴史や伝統豊かな地に住んでいるので、文化を学びつつ、所作も身につけられればと、茶道と華道を学び始めました。茶室に飾るお茶花は、数輪の草花を花器に投げ入れで飾るものですが、その教えに「自然に咲いているように生ける」というものがあります。これはそのまま、小さなショールームだと思っています。私がこう生けたいと思っても、花にも個性があるので、あっちに向いたり、こっちに向いたり、完全に理想通りにはなりません。その花の特徴や個性をわかっていないと、完成しないんです。ショールームも同じです。個々のコーディネーターたちのキャリアの咲き方も、咲くタイミングも、咲く過程もすべて異なり、多様なメンバー一人一人に、その人のタイミングというものがあります。その人がいつどんな風に成長していきたいのか、それを一緒に話し合いながら、一番いい形で次に進めるよう育成するのが私の役割です。変化や違和感があった時も、気づいてサポートしたいですね。

私の生きがいといっていいのですが、それはメンバーが生き生きとしてはたらき、いつまでも輝き続けてもらうことです。そのための環境を作り、その人に最適のタイミングでステップアップをしてもらえるようにするのが目標です。それが叶った時、何よりも達成感を感じます。これからもみんなが輝くために尽力したいです。

最初にもいいましたが、こんなに不安いっぱいだった私が、今はマネージャーやリーダーとしてやりがいを見つけられています。これからキャリアに悩む人、またキャリアアップに不安を持つ人たちも心配することはないと思います。メンバーたちと一緒に頑張れば、必ず見えてくるものはあるはず。だから恐れず上のキャリアに挑んで欲しいですね。

<プロフィール>
2004年入社。マネージャーは3年、サブエリアリーダーとしても1年半を経過し、自分なりの方針でショールームとエリアを牽引中。