
「必要に応じてコーチやキャプテンのように」チーフとしての心構えはメンバーの心を一つにし、ショールーム全体で挑むこと

LIXILショールームのコーディネーターには、多様なキャリアの築き方やはたらき方があります。その中で目標の一つになるのが、チームリーダーである “チーフ”ではないでしょうか。右藤さんはコーディネーターとして活躍したのち、チーフに昇格。現在はメンバーの育成や各種の企画も含め、ショールーム全体を牽引する存在です。その考え方や行動を伺っていくと、そこには広くアンテナを張り、チーム一丸となろうとする、意欲的なリーダーの姿がありました。
一組一組のお客さまに寄り添う深い接客が仕事の魅力
LIXILショールームのコーディネーターとなったのは、一組一組のお客さまにこまやかな接客ができる仕事だと感じたからです。家づくりに期待を持って訪れる方々に、より多くの楽しさを味わっていただける仕事でもあります。そしてお客さまと会話をしながらそれぞれの想いを汲み、そこに合わせたご提案をするということは、細部を極める面白さがあります。1件の接客でお客さまに深く関わり、とことん深めていくことができるからこそ難しく、またやりがいを感じる仕事だと感じています。
私自身、プライベートで家を建てたとき、LIXILショールームを訪ね、家づくりのワクワク感や感動を、コーディネーターの方に盛り上げていただきました。LIXIL製品も大好きになって自宅にも導入しましたが、そのとき受けた丁寧な接客やあたたかなもてなしを、今度は自分が返していこう、と接客に臨んでいます。
スポーツチームのような感覚でチーフの役割を考える
2022年にチーフへ昇格が決まったときは、ただただ驚きでした。でもチャンスをいただいたことで「やるからには全力でやろう」と決意を新たにしたのを覚えています。しかし改めて「チーフの役割とはなんだろう」と考えたとき、漠然としていて、はっきり見えていないということにも気づいたんです。そこで自分なりのチーフ像をつくる必要性を感じましたが、そこで解釈として活用したのが、スポーツチームとして考えてみることでした。
チーフはメンバーを率いていく立場です。指導するコーチのような、キャプテンのような、あるいは全体を管理する監督のような部分もあると感じました。そして、もちろん1人のプレイヤーでもあります。その時その時で瞬時に役割を変えながら、みんなで一緒になって頑張り、良いショールームを作り上げていくことが私らしいチーフ像だと考えています。スポーツチームを例に考えたのは、学生時代にバスケット部だったことや、子どもが部活で頑張っていたことも影響していると思います。でもチーフになって自分だけではなく、周りのことや会社のこと、一人一人のコーディネーターのことも見る広い視野を獲得できたことは新鮮で、良いチャレンジをいただけたことに感謝しています。
CS向上で大事な伝え方を、さまざまな手法でメンバーにも伝授
私がコーディネーターとして追求してきたのは、CS(カスタマーサービス)向上、つまりお客さま満足という部分です。さまざまなメーカーのショールームがある中でLIXILを選んでいただいたお客さまに対し、しっかり向き合ってご要望に応えたいと思い、誠心誠意の接客に努めてきました。チーフとなってからは研修で話す機会もいただいているので、メンバーたちにも私の考えていることが伝わるようにと、一から企画を練って伝え方やマインドセットができるような内容を考え、実施しています。
例えば、伝え方ですが、お伝えする角度や言葉が違うと、同じ商品の提案でも伝わり方や響き方が違います。その差を感じてもらうための研修では、メンバーをグループ分けし、同じお客さまの設定で案内内容を競う方法を考えました。各々ミーティングで案内内容を決めて発表してもらい、どのグループが良かったかみんなで話し合うというものにしました。また、お客さまのLIXILの商品を買いたいと思う気持ちを引き出すため、接客マインドについて話したこともあります。このときは目標を叶えるための「マインドマップ」というものを使いました。これは目標達成に向けてどうしていくべきか、まさに地図を広げるように想いや行動を書いてつなげていくのですが、気持ちの整理や、目標に向かって何を固めるべきかといったことができるようになればと考えました。あとは近くの3ショールームが集まる合同研修もありましたが、自分が読んで伝え方で参考になった書籍をご紹介するといったこともしています。
研修を重ね、お客さまアンケートでの数値向上の結果につながる
どの研修でも共通していますが、お客さま満足の向上には、自分ではなく、相手重視の意識が必須です。相手を主体にすることをできている場合と、そうでない場合では、話す内容や話し方も変わってくるので、そのマインドセットが課題になります。私の研修ではその方法や考え方を、書籍を参考にすることや、マインドマップのような手法を通じ、メンバーの腑に落ちるようなやり方を意識しています。
こうした研修には、私自身がコーディネーターとして実践してきたことや得られたものを随所に盛り込んでいます。私は気になったことがあるとすぐに調べる性格で、とにかく何でも知りたい、と思ってしまう好奇心旺盛なタイプ。本を読んだり、ネットで情報を収集したりといったことが好きなんです。営業の話に耳を傾けたり、社内SNSで良い情報を拾ったり、いろんなところにアンテナを貼って何か面白いことはないかな、と常に探していますが、そうして知ったことや、良い方法を話や研修に取り入れて工夫しています。
もちろんメンバーたちももともと感度は高い人たちなので、私がやっているのはそれをうまく引き出すことです。私の研修が役に立ったかなと思えたのは、メンバーが学んだことを糧に成功体験を重ねて自信をつける様子や、CS向上のマインドセットについて、個人個人が考えて取り組んでくれて、以前より行動を起こせるようになってきたように感じられる点です。もともと心がけや想いが強かったのが、より強くなった感じでしょうか。お客さまアンケートでいただく「開花だより」でも、CS分野についての数値が高くなり、具体的に結果が出てきています。今後も皆で意識を高め、お客さまのお声を励みに、さらに上がっていくといいなと思っています。
今は“チーム一丸”を実感しながら進めている
チーフになって1年ほど経ちますが、徐々にチームプレーができてきて、「目標まであと◯件ですね」「もう少しで達成できますね」と皆が言ってくれるようになりました。そんな言葉を聞くと、同じ目標に向かって一緒に進めている実感があります。個人プレイではなく、一つにまとまっていることが大事なので、全員がショールームを良くしよう、ショールームの目標を達成しようと思ってやってくれているのが何より嬉しいことです。欲をいえば控えめなメンバーが多いので、もう少し闘志を燃やしてもらえるといいのかなと、キャプテンやコーチ目線では思っていますが(笑)。
今のショールームの目標はCS向上とともにお客様の来館を増やし、地域ナンバーワンのショールームになることです。気軽に地域の方に足を運んでもらいたいですし、そのためにLIXILの商品を見て、体験できるようなイベントができないかなと考えているところです。営業の方など多方面の協力が必要なので、皆からアイデアを集め、どんなことができるか考えてぜひ実現したいです。
こんな私ですが、もちろんいろんな失敗や反省も重ねてきました。でも「失敗は成功のもと」というのがうちの家訓。なんでもやってみないとわからないものです。子どもたちもそう育ててきたし、自分もチャンスがあればやってみて、失敗しても次の糧にしようという姿勢でここまできました。だからチーフの役割もまさに「やってみよう」の姿勢で進み続けています。
もしこれからチーフを目指して悩んでいたり、迷っていたりする人がいたら「一度やって試してみて」といいたいです。迷っているということはどこかで背中を押してもらいたいのだと思うし、その方が後悔もないはずです。この会社はチャレンジをサポートしてくれる仲間がいて、難しければ他の道ややり方を模索できる環境もあります。この先のキャリアを考える方々に私自身の経験から、「何も怖がらないでいいよ」とエールを送りたいと思います。そして私自身もチーフとして、1人のコーディネーターとして「ここに到達したい、理想の伝え方を極めたい」という理想があります。この先もチャレンジを続け、お客さまにLIXILを愛していただけるような接客やメンバー育成を追求したいと思います。
<プロフィール>
2017年に入社し、CS向上に力を入れてきた。2人の子どもの部活動や受験をサポートしつつ「子どもには負けられない」と仕事も精力的に行い、コーディネーターとして活躍。仕事でモヤモヤしたときは日課のウォーキングで思考を整理し、引きずらないようにするのがモットー。