株式会社LIXIL
LIXIL Advanced Showroom

「皆様の温かさに感謝」ショールーム再開で感じる喜びと感謝〜福島県沖地震で被害を受けた郡山ショールームが営業再開〜

2021年2月13日に発生した福島県沖地震によって、福島にあるLIXIL郡山ショールームは大きな被害を受けました。再開の目処がなかなか立たない中、須賀川にあるLIXILの研修施設において臨時に営業を継続。7ヶ月後の9月16日にようやくショールームの復旧を終え、営業再開となりました。ショールームマネージャーの南さんに、郡山での営業再開までのお話を伺いました。

即座に復旧できないほどの被害を受け、ショールームを休館

まず、LIXIL郡山ショールームが営業再開でき、大変うれしく思います。お客さまや業者様、再開に向けて尽力していただいた関係者の方々に御礼申し上げます。

2月に起きた最大震度6強の地震によって、郡山ショールームは大きな被害を受けました。ショールームの大きなガラスが割れて散乱し、壁には亀裂が入り、さまざまなものが落下。特に2階にあった営業所の被害がひどく、中に入るのも危険な状態でした。発生時はさほどの被害と思っていませんでしたが、明るくなってから見てみると、とても営業をできるような状態ではなかったんです。しかも近隣の他メーカーのショールームも、周辺の住宅も特に問題はなかった中で、私たちのショールームだけが目立って大きな被害を受けていました。建物の老朽化が思った以上に進んで、極端に揺れが作用したのかもしれません。

この惨状にショックがありましたが、地震直後はご予約をいただいていたお客さまに連絡を入れてキャンセルや変更の手続きを行うなど、さまざまな対応に追われました。お客さまには多大なご迷惑をおかけし、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。先行きは不明でしたが、4月が商品入れ替えを行なう改装時期でもあったので、それに合わせて再開できればいいかなという考えもありました。とはいえ、ずっと休むわけにもいきません。幸いペーパーレスが進んでいたことから、建物の破損によって影響を受けた資料というものはほとんどなく、パソコンなど必要な機器は取り出せたので、お客さまのデータ等も無事でした。その後、応急処置として郡山から車で30分ほどのところにある、須賀川のLIXIL研修センターの一部を臨時のショールームとして使うことが決定。準備が整うまではオンラインショールームの活用に務めつつ、須賀川の開館に向けた準備に奔走する日々となりました。

須賀川のショールームにおいてデジタル化が促進

須賀川では大会議室に商品を設置し、ショールームとして運営をする形になりました。空間展示がなく商品展示台を並べているという簡素な展開だったので、コーディネーターもご案内の際には接客の工夫が必要でした。空間をイメージしていただくため、動画やVR活用の提案をしたり、デジタルを駆使した接客を行いましたが、ここで一気にタブレットやデジタルツールの活用が進んだことは、大変な経験をした中でもよかったことだと思います。ペーパーレスもさらに進み、業務も効率化しました。紙の資料がなくなると事務所のデスクの上もすっきりするので、オフィスの環境も良くなったと思います。

また、オンラインショールームの活用について、認知度をあげることができたのも須賀川のおかげといえるかもしれません。個別のブースがあるわけではなく、会議室のテーブルにパソコンを設置してご利用いただいていましたが、ショールームにリアル見学にいらしたお客さまにもオンライン相談の様子が見えるので、「こんな風にやっているんだ」と、宣伝として効果的だったと思います。再来館をオンラインの方に誘導できることも増えていきました。

もちろん良いことばかりではなく、郡山においでいただけない分、お客さまには仙台や新潟、水戸といった近隣のショールームへ誘導する形になったことは申し訳ない思いでした。また、郡山に戻った時に、以前のようにお客さまに来ていただけるのかという不安もありました。ただ、須賀川にいる時もお客さまはとてもポジティブで、前向きにご相談をしてくださる方ばかり。デジタルツールによる接客も、「わかりやすい」と言ってくださる方が多かったことにも安堵しました。

耐震補強からやり直し、安心してお客さまをお迎えできるショールームへ

肝心の郡山ショールームの復旧ですが、思った以上に被害が大きかったため、再開までには7ヶ月もの時間がかかってしまいました。ただ、これほどの時間を要したのは、今後また大きな地震が来ても心配がないよう、営業所の所長をはじめ、統括エリアの担当者、LIXILの支社の方々にもご尽力いただき、耐震対策からしっかりやり直したからでもあります。基礎だけは残してほとんど建て直すのと同じようなレベルでしたが、ショールームの内部や外観は元と同じように復旧したので、お客さまには「一体何が変わったのかな?」と思われるかもしれません。でも丈夫な建物になったので、この先は私たちも安心してお客さまをご案内することができます。

復旧したショールームは広いキッズコーナーやDVDモニター、オンライン専用ブースなどを複数備え、お客さまにゆったりと商品をご覧になりつつ、接客を体験していただくことができます。郡山は空間展示が充実していて、中でもMクラスのショールームとしてはキッチン台数の展示が豊富なことも特徴です。専門コーディネーターが在籍し、それぞれのキッチンの特徴を把握できるような空間展示を行っているので、お客さまの心に必ずヒットするような商品があると思います。おいでの際は是非キッチンに注目していただきたいなと思っています。

多くの人々に祝福され、地域に愛されていると実感できた再オープン

9月15日に業者様向けにプレオープン、16日から通常の営業へと戻りました。業者様にはコーディネーターに差し入れをいただくなど、温かくお祝いしていただきました。何よりも待ちに待ったオープンに「本当によかったね」とたくさん声をかけていただいたことが、本当にうれしくてたまりませんでした。

10月末まではリニューアルオープンキャンペーンを開催しましたが、営業も再開に向けて多くの方面に声をかけて活動してくれていて、「待っていたよ」というお客さまにたくさん来館していただきました。ガラポンによる抽選会や、成約キャンペーンで景品をお渡しするなど、いろんなイベントも大好評でした。毎日フロアにガラポン抽選会で当選時に鳴らす鐘の音や笑い声が響いて、まるでお祭りのような賑やかさ。そんな様子に当初抱いていた不安も吹き飛びました。お客さまに喜んでいただき、ショールームに笑顔が戻ってきたことが幸せです。

再び郡山での日常が戻ってきましたが、私たちにとって、ここでショールームを営業できることが何よりの喜びです。お客さまに「よかったね」と言っていただくたびに、地元の方々に愛されていたんだということをしみじみと感じます。引き続き地元の皆様に必要とされるショールームであるよう、頑張ってまいりますので、ぜひ新しく生まれ変わったLIXIL郡山ショールームへおいでください。ショールームメンバー一同、笑顔で皆様をお迎えいたします。

※通常ショールームではマスクを着用してご対応させていただいておりますが、記事制作のため、一時的にマスクを外してイメージ撮影をおこなっております。