株式会社LIXIL
LIXIL Advanced Showroom

「あなたらしく頑張ればいいんだよ。」その言葉を力にかえて、バースデイプロジェクトで自分らしく仕事と家庭を両立するはたらき方を実現する

たくさんの女性が活躍しているLIXIL Advanced Showroomでは、誰もがはたらきやすい環境や制度を整えることに注力してきました。バースデイプロジェクトは、社員が心身ともに健康で安心して働ける環境をつくるさまざまな取り組みの総称です。

時短勤務を続けてきた田村さんは、効率よく、集中して働くことで高いパフォーマンスを続ることでショールームを支えてきてくれましたが、このバースデイプロジェクトにより、時差出勤をすることで時短からフル出勤へとはたらき方をチェンジした1人です。そんな田村さんのはたらき方の変遷から、仕事も家庭も大事にできる生き方を探ってみます。

「続く人のため、あなたが時短に」当時のチーフの助言

私はINAXに入社してからLASになった現在までずっと同じショールームでコーディネーターとしてはたらいています。在籍するショールームはコーディネーターが現在9名。かつてはマネージャーはおらず、チーフがショールームをまとめていました。彼女にはお子さんもいらっしゃいましたが、忙しさもあってフル出勤で頑張られていました。

そんな状況で、私が結婚し、子どもができたときは後ろめたい気持ちがあり、「チーフのように時短を取れないではたらくのだとしたら、仕事を続けることができるだろうか?」という不安がありました。

でも、そんな私にチーフが時短勤務をするように後押ししてくれました。

「家族を優先していいから、ぜひ時短勤務をしなさい。自分はできなかったけれど、田村さんが時短にならないと、その後に続くコーディネーターたちが誰も時短勤務をできなくなってしまう。あなたがこの先の時短勤務ではたらくスタイルを築いていきなさい」

この言葉が、そのときの私にとってどれだけ大きく響いたか、言葉にはできないほどです。「周りに迷惑をかけるんじゃないか」という不安をチーフに払拭していただき、「本当に助かった」と思いましたし、これなら仕事を続けていくことができると安堵しました。

育休復帰後も時短勤務の不安を理解し、助けてもらう

私は2人の子どもがいて二度の育休を取り、時短勤務で子育てをしていたのですが育児も子どもが2人になって大きく負担が増えました。朝は保育園に2人を送って出勤する慌ただしい毎日。次第に何をどう頑張ったらいいかわからなくなっていき、泣けてきたことがありました。どこまで頑張ればいいんだろう、なぜはたらいているんだろう、どうやって仕事をしていったらいいのか…等々、いろいろ分からなくなって、自分で混乱してあと一歩で心が折れる、そんなところまで追いつめられていました。

そんな時に、マネージャーになっていた以前、時短勤務を進めてくれたチーフが「田村さん、あなたらしく頑張ればいいんだよ」と言ってくれて心がふわっと軽くなり、本当に助けられた気持ちになりました。

こうしたマネージャーの声かけや配慮がなければ、やはり仕事を続けられていなかったと思います。私はその方に育てていただいたし、その方がいなかったら今の私はいないといえる大きな存在でした。

そんな状況だった私のショールームは、今は時短勤務をするコーディネーターが増えていき、現在は3人になりました。会社の変化はもちろん大きいですが、私にとっては時短勤務を推奨してサポートしてくれたマネージャーの存在は大きかったと思います。

時短勤務では効率を意識し、仲間の様子も把握して動く

時短勤務時は、いかに時間内で効率よく仕事をするかが重要です。私の場合は事前に何をやらなければいけないのかを常に把握するように心がけていました。残った作業をほかの人にお願いして退社したくなくて、本当にできない状況になったとき以外は、自分でやることも意識して動きました。

自分でいうのもなんですが、もともと処理能力自体は高くて、何でもてきぱきとやっていく方だと思うので、予め考えて動くことで仕事を残すことはなかったと思います。

また、LASになってから業務システムが大きく変わり、見積もりやその他さまざまな作業を外注できるようにもなったことも大きいです。そうして余裕ができた分は、周囲のコーディネーターたちの様子を見て、個々が抱えている作業を確認して引き受け、また依頼もされるのでそれもこなしてきました。そこは私の処理能力を発揮できている部分です。

また、時短勤務の仲間から相談をされることも多いので、自分が時短でどうやってきたのか、また当時のマネージャーに言われて心に残ったことを伝えていくことも意識しています。

時差出勤の制度を活用し、フル出勤へとはたらき方を変更

この9月、バースデイプロジェクトというものが発足し、さまざまな取組がはじまりました。その中で私にとって、非常に子育てをしやすい制度である時差出勤もスタートしました。私はこの制度を使い、長らく続けてきた時短勤務から、フル出勤という扱いのはたらき方を選択しました。本来は9時半出勤のところを8時半に出勤し、時短勤務の定時である17時に仕事を終える形です。

私はもう下の子どもが自分で学校に行ける年齢なので、出勤時間も柔軟にすることが可能です。人によってはすごく助かる制度だと思います。ただ、フル出勤とはいえ、閉館よりも1時間早く退勤するので、会社が提示する目標数値を達成できるのかどうか、最初は少し不安でした。でもやってみると通常のフル出勤とはあまり変わらない感覚で、今は問題なく毎日を過ごしています。

私の今の働き方はみんなより1時間早く来て、朝の静かな事務所で黙々と事務作業をしています。私のショールームでは個人の業務の一覧表があり、みんなから私に対しての依頼を書き込む欄もあります。朝は依頼された仕事を処理していることが多いですね。みんなの作業状況から判断し、作業がたまっている人の分をやってしまうこともあります。静かで作業がはかどるのが時差出勤のいいところです。別のフロアにいる営業の方が顔を出し、挨拶がてらいろんな情報交換をすることもあります。それも仕事には役立つので、いい時間だなと思います。ただし、人と会話していても作業の手は絶対に止めないのが効率的に仕事を進めるポイントです。(笑)。

家庭については、私は子どもたちにはできるだけ早く夕飯を食べさせてあげたいと思っているので、休みの日に大量の料理を作り置きしておきます。定時退社しても夕方は渋滞で家に着くのは18時前。夕飯を食べても習い事の送迎でドタバタしますが、夜は11時前には寝て、朝は5時半から6時の間に起きて準備を始めます。私にとっては早く出勤して早く帰るサイクルで、仕事も家庭も両立できているのがありがたく、このスタイルでこの先もはたらいていこうと思っています。

みんなの「自分らしく頑張ること」を私が支えていきたい

チーフが私に時短を推奨してくれた時代を経て、現在は会社の制度がすごく整ってきて、本当にはたらきやすい時代になりました。家庭を維持しながら、仕事自体も楽しいのが今の状態です。やはり仕事が楽しくないと感じるのはよくないと思うし、楽しんでいると周りの雰囲気もよくなると思うので、会社に居るときは本当に楽しもうと思いながらやっていますね。接客でも会話をしているうちにどんどん楽しくなります。接客が終わった後、お客さまに「すごく楽しかったです」と言って帰っていただくことが多く、アンケートも返していただきますが、すべてが良い方に循環していると思います。

新しく入社した人に「田村さんはどうしてそんなにうまくできるんですか?」と聞かれることもありますが、強いていえば「自然体」でいることでしょうか。仕事を頑張ることは大事ですが、頑張りすぎることは良くないとも感じています。

特に新しく入社した人は覚えることも沢山あって、意欲が高くて頑張る人は多いですが、頑張りすぎることで無理してしまうことも少なくありません。できれば自然体でいるのが一番ではないかと思います。

「あなたらしく頑張ればいいんだよ」

私がかつてマネージャーにかけていただいた大切な言葉。

私も伝え続けていくし仲間にも「自分らしく頑張ること」を大切にしてもらいたい。
だから、頑張っている新しく入社した仲間たちのことは応援したいし、サポートしたいと思っています。ショールームはベテランが多いので、若い人は少し遠慮してしまいがちです。私は全体を見渡して、みんなの様子を見るようにしていますが、ふとしたことで孤立してしまっていたり、困っている若手には声をかけて気遣うことも大事にしています。

個人的には自分がどうなりたいか、キャリアアップしたいかということについて、子どもが2人いる状況ではあまり深く考えてきませんでした。フル出勤に戻った今も明確なビジョンはありませんが、今の状態を維持しながら楽しくはたらき、そしてみんなもはたらきやすくなるよう、私のできることをしていきたいと思います。

<プロフィール>
インテリアや建築に興味があり、2006年INAXに入社。自身では接客は向いていないタイプとしつつも、お客さまからの評価は良く、アンケートの回収率の高さにも定評がある。持ち前の視野の広さでショールームのメンバーの仕事状況をよく把握し、素早くサポートすることでメンバーからの信頼も厚い。